2013/02/13

壁の中のベツレヘム


こんにちは~。今はブラジルのリオデジャネイロにいます。リオのカーニバルの真っ只中なので、街全体がお祭りムード!でも今日のブログは、ちょっと暗い話:パレスチナ問題に影響を受けたベツレヘムについて。

イスラエルのパレスチナ自治区、ベツレヘムに行って来た。パレスチナ問題についてはよくニュースで取り上げられているけど、正直、ベツレヘムに来るまで、何が問題なのか、どんな状況なのかなど、よく知らなかった。

パレスチナ問題を簡単に説明すると、イスラエル人(ユダヤ人)とパレスチナ人(アラブ人)の間の土地の奪い合い。と言うか、イスラエルが一方的にパレスチナの土地を奪い続けていると言った方がよいかな。下の写真から分かるように、イスラエルが圧倒的に占領しているのが現状。現在残っているパレスチナの土地はイスラエルによってコントロールされている。


ベツレヘムは8mもの高い壁で囲まれていて、その中に住むパレスチナ人達は自由に壁の外への出入りができなくなっている。その壁がイスラエル人によって作られたのは2002年。突然壁の中に閉じ込められてしまったのだ。



事を余計ややこしくするのが、パレスチナ人はエルサレムIDもしくはパレスチナIDのどちらかを与えられ(どちらのIDが誰に与えられるかなどの詳細は分からないけど)、エルサレムとベツレヘムの間の行き来がそれによって制限されている。

ベツレヘムで宿泊したゲストハウスを経営する家族は、奥さんはエルサレムID保持者で、旦那さんはパレスチナID保持者。パレスチナID保持者の旦那さんはベツレヘムの壁の外へは自由に出入りできず、行くためには許可証を取る必要がある。エルサレムID保持者の奥さんはベツレヘムとエルサレムの行き来は自由だが、ベツレヘムで夜を越すのは週に1回しか認められていない。そのため、夫婦で一緒に寝て起きてっていう私達にとっての日常茶飯事が、彼らは週に一度しかできていないということになる。夫婦なのに、一緒に自由に行動できないなんて、可哀想。当然の権利がここでは通用しない。

ベツレヘムを囲む壁にはたくさんのグラフィティが描かれている。



イギリスの有名なグラフィティアーティスト、バンクシーが描いたグラフィティも所々に。ベツレヘムに来るまでバンクシーの存在は知らなかったけど、彼のアートはとても興味深かったなー。

そんな複雑な状況のベツレヘムだけど、イエスキリスト生誕の地であり、キリスト教にとって重要な場所。

イエスキリストが産まれた場所に建てられた教会。

教会の中

私達がベツレヘムを出てヨルダンに戻った翌日、イスラエル軍がロケット爆弾を発射し、ベツレヘムの近くに落ちたことをニュースで知ってびっくり。その後もテルアビブなどへの攻撃が続き緊迫状態。

危機一髪!爆弾にあたらなくて良かったー!

ベツレヘムに平和と自由が来るのはいつになるのだろうか?近い将来ではなさそうだ。。。


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